船が名前を変えるとき

船を撮っていると滅多に見られない瞬間を目にすることがあります。

 

それは船が名前を変えること。

「どういうこと???」と思われる方も多いと思いますが、船って持ち主が変わることがあるんですね。

 

Aという会社が所有していた船を売ってBという会社が買い取り新しい名前に変える。

あるいは、Cという会社が所有している船をDという会社が一時的に借りる。契約期間が終了したらまたCに返す。この場合もDが借りている期間だけ名前を変えることがあります。

 

私たちの日常生活ではちょっと考えにくいことが船の世界では行われています。

 

下の写真は旧パナマックス型のばら積み船。

普段ばら積み船はこの岸壁に着岸することはありません。

f:id:BlauGrana10:20200328203515j:plain

 

この写真は名古屋港のウェブカメラから見たもの。

上から見下ろせるのはいいですね!陸上からでは見えないところもよく見えます!!

 

少し見えづらいですが、船名は「SILVER FREEDOM」、パナマ船籍です。

パナマックスバルカーはハッチが7つ。(1つはハウスに隠れて見えません)

ハッチカバーは左右に開くようになっています。

前から4つ目はヘリポートです。

 

普段来ない船が空船でいるってことは何かあるな…と思ったわけです。

この日は特に何もなく終了。

 

次の日またウェブカメラを見てみました。

変わった部分があるのが分かりますか?

f:id:BlauGrana10:20200328203518j:plain

 

拡大して見てみましょう。

f:id:BlauGrana10:20200328203523j:plain

 

そうです、船名と船籍が消されました。

ちなみに写真の右側の星のところはバスケットゴールです。

船ではよく見かるので、船員さんは結構バスケットがうまいかもしれません(笑)

 

次の日、どうなったのか気になったのでまたウェブカメラを見てみました。

f:id:BlauGrana10:20200328203527j:plain

 

新しい名前がペイントされていました!

船籍のMAJUROはマーシャル諸島の首都。

船名の上を見るとマーシャル諸島の国旗がはためいています。

 

このペイントですが、天板をロープで降ろし人の手で書かれます。

一度そういう場面を見たことがあるんですが、ロープが切れたらお終い。

めっちゃ危険な状態で作業されていました!

 

船名を変えるときは会社も変わっているので、船員さんが全員入れ替わるときもあるようです。

 

現在は煙突も塗り替えられて水色になっています。

(ついでにバスケットゴールも!笑)

 

気になる方は”MAGIC P”で検索してみてください。

 

IMO:9288447 船籍:パナママーシャル諸島

全長225m、全幅32.26m、総トン数39,964トン、76,453DWT。

常石造船の建造で、2004年竣工です。